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『ハッピーエンドの選び方(字幕版)』感想

はじめに

邦題につられないで…。
原題の意味は『良い死』だそうです。

英題の意味はお別れパーティー…とりあえず死に関する内容なので最初から最後まで明るく!とはいきませんが、笑っても良いシーンもあるので不思議な心地になるかもしれません。

ハッピーエンドの選び方(字幕版)
英題(THE FAREWELL PARTY)
原題(MITA TOVA)

あらすじ

安楽死を望む親友マックスに頼まれ自殺装置を作ったヨヘスケル。話題の少ない老人ホームでは、噂は瞬く間に広まってしまい安楽死を望む人からの依頼が次から次へと…そしてついには妻のレバーナまでもが…。

感想

※ネタバレあります。
※字幕版で観た感想です。

舞台がイスラエルということで、ちっとも言葉を聞き取れなかった。でも普段触れない文化、言語に触れるのは良いですね。

ヨヘスケルとレバーナ夫婦を演じたのは現地のコメディアンだそうで、暗い作品を少しでも明るく…なるもんかー!暗いぞーーー!(ごめん)

日本でいうとホラー映画を観ているような具合で、画面が最初から最後までどことなく暗いです。でもクスッと笑うシーンは確かにあって、暗いだけじゃないのも事実。

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個人的に衝撃だったのは、死人が歌うシーンがあること。しかも医者がどうにか蘇生しようと電気ショックを使ったり努力しているっていう瞬間も…一瞬だけ生き返ったの?と戸惑いました。
でもこのシーン、すごく歌声が綺麗です。切実な思いを胸にズブリと刺されるような気分にさせられました。

自分が自分で無くなっていく感覚、自由が利かなくなっていくことの辛さは、当人にしか分かりません。

肘が反対側に曲がらないことへ不満を持たないのは、初めからそういう構造だから。
でも老人の多くは元々持っていたものを少しずつ失われていくのみだ、と知っているのに生かされている…そんな思いなのかなと。

想像することしか出来ないけれど。

愛情は、人の感覚や考えを変えてしまいますね。度々。
正しさの絶対的基準は存在しないというのが私の考えですが、普段から意識してるタブーを踏み外すのに愛情は十分理由になり得ます。

色んな作品や実際に起きた出来事で、愛情が普段ない力を発揮させたり、決断をさせるのを見聞きしてきました。

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認知症に関する作品もいくつか観ましたが、記憶が無くなっていくのは本当につらい。
友情も夫婦愛も親子愛あるし、すごく素敵な作品だと思います。

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ところで映画を観ていて、もし自分の手元に自殺装置があったとしたら…と想像してみた。

「死んでも良い」「いつでも死ねるんだ」と思うと、どことなく心が軽くなるような気がする。
そんな余裕が「もうちょっと生きても良いかな」とすら思わせてくれるようで、もしかしたらそこから小さな希望すら生まれるかもしれない。

と思った。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。